■特徴・分布・生育環境
      高さ20cmにも満たない小さな一年生草本です。
      北アメリカ原産でおよそ100年弱前の昭和に入ってから渡来した外来種です。
      
    葉には深くて細かい裂れ込みが入っていて、裂れ込みの幅が広いのが特徴です。
      
      春から夏に、径5〜7mm程度の小さな淡紫色の花をつけます。5弁花です。
      
      果実は、工具のキリの刃先のような細長い中心部がほぼ垂直に立っているのが目につきますが、その基部に普通は5個のごく小さな袋があります。
      黒く熟すと、この袋がキリの先端にまで巻き上がり、微小な種子をまき散らします。
      
      繁殖力が旺盛で、現在では市街地のちょっとした緑地から多摩丘陵に残された里山にも普通に進出しています。
      
      ■名前の由来
      フウロソウの仲間(同属)でアメリカからの外来種なので、アメリカフウロです。
      「風露」とはなかなか風情のある名前ですが、その由来はよく判ってはいないようです。
      植物学者の牧野富太郎博士による「いわゆる風露草はイブキフウロ(伊吹風露)のことで、名の由来は不明であるが、江戸時代に浅草の植木屋が風露草として売っていたとある」が知られています。
      
      ■文化的背景・利用
      渡来してまだ百年なので詩歌や文芸にも表れてはいないようです。
      
      ■食・毒・薬
      日本では歴史が浅いので、毒性はわかっていません。薬用にも用いられていないようです。
      ただ、仲間(同属)のゲンノショウコは古来腹痛や胃腸薬としてとても著名ですから、そのうちに何らかの薬効が発見されるかもしれません。
      
      ■似たものとの区別・見分け方
      葉の外形が似た仲間(同属)のゲンノショウコとは、ゲンノショウコでは葉の切れ込みは浅い葉が多く、花径も1.5cm前後と一回り大きいことで容易に区別できます。
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     写真は「花」、「葉と花」、「新葉」 と「果実」の4枚を掲載 |  
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     | アメリカフウロの花 |  
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     | アメリカフウロの葉と花 |  
      
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     | アメリカフウロの新葉 |  
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     | アメリカフウロの果実 |  
     
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