■特徴・分布・生育環境
      浅い沼沢地に自生する多年草です。
      地下に太い根茎を這わせ、群落状になります。
      環境省の準絶滅危惧種です。
      
      夏に、鮮黄色の花を水面から上に出る花茎の先に一個つけます。
      花冠(ガク)は浅い漏斗型で、深く5裂しているので5弁花に見えます。
      花径は3〜4cm前後で、5裂している裂片はほぼ平開します。
      
      葉は、ほぼ円形で一か所にスリットのような裂れ目が基部まで入ります。
      葉は全て水面に水平に浮かべます。
      葉の大きさには大小があり径5cm前後〜12cm前後です。
      
      日本各地から北半球に広く分布します。
      多摩丘陵では、3ヶ所ほどでアサザ池が知られています。
      ただし、これらは保護植栽されたものであると思われます。
      なお、1950年台には、多摩丘陵にも自生があった可能性があります。
         
      ■名前の由来
      平安時代の本草書である「本草和名」や「倭名類聚抄」に、既に「和名 阿佐々」として「アサザ」の名が現れているように、古い時代からこの名で呼ばれていたようです。
      ただ、多くの漢字名がありますが、アサザの名の由来は判ってはいません。
      
      ■文化的背景・利用
      日本書紀に既にその名が現れているとされます。ただし、アサザの名ではなく「も」などとされていたようです。
      万葉集の長歌に「あざさ結ひ垂れ」として歌われています。この「あざさ」は「アサザ」であるとされています。
      
      上述の通り、平安時代の本草書である「本草和名」や「倭名類聚抄」に、既に「和名 阿佐々」として「アサザ」の名が現れています。
      江戸時代の本草書である「本草綱目啓蒙」(小野蘭山)に「アサゞ」が現れているとされています。
      他の多くの本草書などにもその名が現れているようです。
      
      ■食・毒・薬
      若い葉は食用にできるとされています。
      中国では薬用に利用されるようです。
      
      ■似たものとの区別・見分け方
      多摩丘陵では、似たものはありません。
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     写真は「花」、「花期の全体」 と「葉」の3枚を掲載 |  
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     | アサザの花 |  
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     | アサザの花期の全体 |  
      
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     | アサザの葉 |  
     
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