■特徴・分布・生育環境
      つる性の落葉性木本です。
      雌雄異株です。全体にアルカロイド系の有毒成分を含みます。
      
      ただし、多摩丘陵では、自生は極めて稀です。
      2014年現在では、ある林縁でしか確認できていません。東京都の中島氏により確認されたものです。
      
      半日陰〜日当たりのよい林縁等に生育します。他のツル植物と同様に木などに巻きついて樹冠をめざします。
      茎は暗赤褐色を帯びます。
      
      葉はほぼ円形ですが葉縁がごく浅く5〜7裂しているので5〜7角形に見えます。
      葉の大きさには大小があり、径5〜15cmほどです。
      葉には、長さ5〜12cmほどの長い柄があります。
      
      葉柄が、葉の中央近くにつく(盾型)のが大きな特徴です。
    
      晩春にそれぞれの葉腋に花序を出します。
      したがって、花序は結構多くつきます。
      多摩丘陵では、4月下旬には花序を出します。
      
      花色は淡黄色です。
      夏に入ると開花します。多摩丘陵では、5月中旬に入るころからです。
      
      日当たりの良い個所では、円錐塔状の花序にはかなり多くの花がつきますが、半日陰になるような箇所では花数は少なくなりややまばらです。
      
      花序は、普通は側方〜側下方向きになります。
      花序の柄は長く見え、長さ2〜5cmほどあります。
      
      雄花には雄蕊が多く20本近くはあります。ただ、微細なので確認は結構難しい。
      雌花では、これも微小なのですが3〜4個の緑色の心皮が見えます。
      果実は径8mmほどの球形です。
      
      日本各地から東アジアの東北部に分布します。
      多摩丘陵では、ごく稀です。
      上述の通り、2014年現在では、ある林縁で確認できているだけです。また、ある都市部の里山公園に1か所だけ保護植栽されています。
      
      ■名前の由来
      特徴のある葉を、夕暮れ時から夜空を飛び交う哺乳動物、コウモリ(蝙蝠)の翼に見立ててこの名前がある、というのが通説です。
      
      ■文化的背景・利用
      知られた詩歌などには詠うわれていないようです。
      また、本草書などにもその名は現れていないようです。
      
      ■食・毒・薬
      中国では薬用に用いるようですが、未確認です。
      上述の通り、全体にアルカロイド系の有毒成分を含むので、食用にはできません。
      
      ■似たものとの区別・見分け方
      多摩丘陵には似たものはありません。
    |  
     
    | 
   
    
     写真は「花」、「花柄」、「葉」と 「葉裏の葉柄」の4枚を掲載 |  
       |  
     | コウモリカズラの花 |  
      
       |  
     | コウモリカズラの花柄 |  
       |  
     | コウモリカズラの葉 |  
       |  
     | コウモリカズラの葉裏の葉柄 |  
     
   |