■特徴・分布・生育環境
      明治時代初期に欧州から渡来した外来種です。
      
      日当たりのよい路傍の草地や草原に生育する多年草です。茎を立て高さ30〜60cmになります。しばしば群生します。
      春から夏にかけて、花茎を立て、多くの紅紫色の小さな花を径2cmほどの放射球形につけます。
      葉は、3出複葉で、小葉は長さ2cm前後の広倒卵型(葉先の苞が幅が広い)です。
      
      多摩丘陵では、路傍の草地や畑地や緑地などに普通に見かけます。
      
      ■名前の由来
      「ツメクサ」は「詰草」で、江戸時代にオランダから船でガラス器を箱詰めにして輸入したときに、仲間(同属)のシロツメクサを乾燥させて隙間につめてガラス器が壊れないようにしたことから「詰め草」となったというのが通説です。花色が紅紫色なので「ムラサキ」です。
      
      ■文化的背景・利用
      渡来して歴史が浅いこともあって、知られた詩歌や文芸などには現れていないようです。
      レンゲと同様に、根粒バクテリアにより空気中の窒素を地中に固定するので、耕作前の畑などに栽培されて緑肥にされ、また牧草や干し草として利用されます。
      
      ■食・毒・薬
      民間で、蕾や花を天日乾燥させ煎じたものが、便秘、咳や痰などに効能があるとされます。
      シロツメクサでは、若葉や花を天ぷらに、また茹でて水に晒して和え物などにして食用にするので、ムラサキツメクサも同様に利用できると思われますが確認はしていません。
      
      ■似たものとの区別・見分け方
      よく似た仲間(同属)のシロツメクサ(別名:クローバー)では花色は白で、茎が地を這っていて立ち上がらないので容易に区別できます。
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     | 写真は「花」、「全体」と「葉」の3枚を掲載 |  
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     | ムラサキツメクサの花 |  
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     | ムラサキツメクサの葉 |  
      
     
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