■特徴・分布・生育環境
      古い時代に熱帯〜暖温帯地域から渡来した外来種であるとすることが多い。
      
      草丈60〜70cm、時に1mほどになる1年草です。
      
      茎を分けて茎頂に黄色の頭花をつけます。円形になる黄色の筒状花のまわりに5枚の黄色の花弁(舌状花)をつけます。ただし、花弁(舌状花)の数は1〜4枚などと変異が多い。
      花は径2cmほどです。花の基部の総苞片は小さく目立ちません。花期は初秋の終り頃〜秋早くです。
      
      葉は3枚から7枚の小葉からなる奇数羽状複葉(葉軸に沿って左右に小葉を並べ先端に一枚の小葉)です。この葉がセンダンの木の葉に似ているという命名ですが、余り似てはいません。
      
    果実は細長く何本かが集まって放射球形に熟し、それぞれの先端にカギ爪があり衣服や動物の毛につきます。
      
      センダングサは多摩丘陵では個体数が少なく、東京都の中島氏からお知らせいただき2013年にやっと確認できました。
      
      この仲間(センダングサ属)の植物は、分類的にも学名的にも諸説あって、学者によって見解が異なるようです。遺伝子解析が進めば分類が変わるかもしれません。
      
      現在(2010年前後)は、日本在来のタウコギ、淡い黄色〜黄色の花弁(舌状花)があるこのセンダングサ、花弁がなく総苞片がごく短いコセンダングサと、花弁(舌状花)はなく花の基部の細長い総苞片が風車のように目立つアメリカセンダングサを独立種として扱い、明確な白い花弁(舌状花)があるコシロノセンダングサ、シロバナセンダングサ、シロノセンダングサやアワユキセンダングサなどを変種としています。場合によってはこれらを個体変異の品種とする説もあります。
      
      ○このセンダングサは古い時代に熱帯〜暖温帯地域から渡来した外来種とされることが多い。黄色い花弁(舌状花)を5枚つけますが、1〜4枚であることも多い。花の基部の総苞片は短く目立ちません。葉は奇数羽状複葉です。
      ○アメリカセンダングサは1900年代中期に北アメリカから渡来した外来種とされています。花に花弁(舌状花)はなく花の基部の風車のような葉状の細長い総苞片が目立ちます。葉は奇数羽状複葉です。
      ○コセンダングサは、1800年代中期に熱帯〜暖温帯地域から渡来した外来種とされます。花に花弁(舌状花)はなく花の基部の総苞片はごく短く目立ちません。葉は奇数羽状複葉です。
      ○コシロノセンダングサは、コセンダングサの変種とされることが多く、コセンダングサの花に白い花弁(舌状花)をつけたような花容です。葉は、奇数羽状複葉です。
      ○在来のタウコギは日本各地に分布するようですが、各地でも多摩丘陵でも個体数が少ないようで、まだ未確認です。花は、アメリカセンダングサによく似ていますが、タウコギでは葉は3〜5裂する単葉であるのに対して、アメリカセンダングサでは、奇数羽状複葉であることで容易に区別できます。
      
      他に、葉が羽状に分裂し裂片の幅が2mm前後ととても細いホソバノセンダングサがありますが、本州の一部(滋賀・長野・山梨)と九州〜北東アジアに分布します。
      本州以西から世界に広く分布するコバノセンダングサも外来種で、センダングサにやや似ていますが、葉が奇数羽状複葉でなく、羽状に深裂することで区別できます。コバノセンダングサは、多摩丘陵では未確認です。
      
      ■名前の由来
      上述の通り葉がセンダンの木の葉に似ているという意味で「センダングサ」です。
      
      ■文化的背景・利用
      花も草姿も地味で、外来種でもあることから詩歌などには現れてはいないようです。
      
      ■食・毒・薬
      食用にできるという報告はありません。また、毒性の有無も薬用の有無も不明です。このような場合は、食べるのは避けるべきです。
      
      ■似たものとの区別・見分け方
      この仲間(センダングサ属、学名Bidens(ビデンス)属)の見分け方は上述の通りです。ただ、コセンダングサやアメリカセンダングサは結構多く自生していますが、コシロノセンダングサは余り見かけません。また、センダングサはごく稀です。
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     | 写真は「花(1)」、「花(2)」と「葉」の3枚を掲載 |  
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     センダングサの花(1) (花弁(舌状花)は1〜4枚と変異がある) |  
      
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     | センダングサの花(2) |  
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     センダングサの葉 (小葉に裂れ込みがあることも) |  
     
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