■特徴・分布・生育環境
      カキノキの品種で、鎌倉時代の1214年に、川崎市麻生区にある星宿山蓮華院王禅寺の山中で自生しているものが偶然に発見されたものです。
      それまで、日本には甘柿はなく、日本最古の甘柿であるとされています。
      
      葉や幹は他のカキノキと変わりません。
    果実は、現在市販されている柿よりもやや小ぶりで、種子が大きく、果肉は少なめです。
      
      多摩丘陵では、江戸時代以降にはこの柿が広く栽培されていて、現在でも多くが残されています。
      
      ■名前の由来
      「王禅寺」で発見され、果実が丸みを帯びているので、「禅寺丸柿(ぜんじまるがき)」とされたようです。
      
      ■文化的背景・利用
      江戸時代には、多摩丘陵中西部で広く栽培され、美味なため江戸にも多く出荷されたようです。
      明治時代中期に、市町村合併の際に柿の名産地であるとして「柿生村」が生まれましたが、昭和に入って川崎市に編入された際にこの地名はなくなりました。ただ、小田急線の駅名として「柿生」駅は残されています。
      明治時代の末期から昭和時代初期には、生産量は最盛期を迎えましたが、昭和中期に富有柿や次郎柿等が現れると、種子が大きく果肉が少ない禅寺丸柿は市場から姿を消しています。
      
      ■食・毒・薬
      もちろん食用になり、他のカキノキと同様に若い葉もテンプラなどにして食用にできます。
      
      ■似たものとの区別・見分け方
      果実がやや小ぶりでほぼ球形なので、他の栽培柿と区別できます。
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     | 写真は「果実」と「全体」の2枚を掲載 |  
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     | ゼンジマルガキの果実 |  
      
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     | ゼンジマルガキの全体 |  
     
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