■特徴・分布・生育環境
      昭和初期(1930年代前半)に欧州から渡来した外来種です。
      
      花茎の丈は40cm〜70cm近くになる多年草です。
      茎に葉はなく、地面に張りつくように長楕円形の葉を放射状(ロゼット)につけます。
      葉は、深い切れ込みはなく浅裂〜中裂します。
      
      初夏から秋まで長い間花をつけます。
      ロゼット葉の中心から数本の花茎を出します。
      花茎は中実(茎の中心に空洞はない)で、途中で枝分かれするのが特徴のひとつです。
      それぞれの茎頂にタンポポによく似た花をひとつつけます。
      花径は3cm前後です。筒状花はなく、タンポポと同じように花弁のように見える舌状花だけからなっています。
      
    当初はタンポポに似ていることから「タンポポモドキ」と呼ばれたようですが、その後「ブタナ」となっています。
      渡来して100年弱ですが、既に日本各地に帰化しています。
      
      多摩丘陵では、市街地周辺の草地から里山の林縁まで広く帰化しています。
      
      ■名前の由来
      フランス語で「ブタのサラダ」を意味する「Salade de pore」から「ブタナ」となったという説が一般化しています。
      ただ、渡来当初は、牧場周辺で確認されたことから飼料植物、すなわち「豚」の飼料から「ブタナ」となったという説も一部にあるようです。
      
      ■文化的背景・利用
      渡来して歴史が浅いこともあって詩歌や文芸の対象とはなっていないようです。「豚菜」の名前も災いしているのかもしれません。
      
      ■食・毒・薬
      有毒であるという報告はないようですが、未確認です。食用にも薬用にもしないようです。
      欧州で「ブタのサラダ」と呼ばれているようなので食用に向いていないのかもしれません。
      
      ■似たものとの区別・見分け方
      花はタンポポに似ていますが、茎がひょろっと長いこと、花茎が枝分かれすること、タンポポの花茎が中空であるのに対して花茎が中実であることで容易に区別できます。
      花や花茎の立て方がコウゾリナにやや似ていますが、コウゾリナでは茎に茎葉があり、茎に剛毛が密生していることで容易に区別できます。
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     写真は「花」、「全体」と「ロゼット葉」 の3枚を掲載 |  
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     | ブタナの花 |  
      
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     | ブタナの全体 |  
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     | ブタナのロゼット葉 |  
     
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